理事長挨拶

katou日本ロービジョン学会は2000年4月に創設され、2013年4月現在、約700名の会員が活躍しています。本学会は我が国の視覚に障害を有する患者さん(ロービジョン患者さん)へのハビリテーション、リハビリテーションに関する研究および臨床の向上を目的としています。会員には眼科医、視能訓練士、看護師などの医療関係者や教育、福祉、労働、ロービジョン関連機器に携わる企業関係者など、様々な職種の方がおります。

視覚障害の患者さんがまず接することが最も多いのが眼科医だと思います。現在では眼科の世界でも専門分野が分かれてきて、専門分野ごとに研究が盛んになってきています。各専門分野で、例えば、緑内障、糖尿病網膜症、黄斑変性、角膜疾患、神経を専門とされる眼科医は各分野の診断、治療のエキスパートですが、その延長上にあるロービジョンケアまで行っている施設はまだ十分ではありません。また、視覚障害の患者さんが近くの眼科診療所を受診された場合、各診療所でできるロービジョンケアを実施し、それで足りない場合は専門施設との連携が必要となってきます。眼科でのロービジョンケアに際し、看護師、視能訓練士の役割は大きく、その協力なくしては眼科でのロービジョンケアは成り立ちません。その点から、まずは医療関係者へのロービジョンケアの普及が学会として急務であることに間違いはありません。

その一方、ロービジョンケアに関連する研究は、教育、福祉、労働、ロービジョン機器に携わる企業関係者の研究者により盛んに行われており、それらの分野での研究成果を眼科医は真摯に学ぶことが最終的にロービジョン患者の福音になるということを信じて疑いません。日本ロービジョン学会では教育、福祉、労働、ロービジョン機器に携わる企業関係者の研究者の力を借りて、学会がロービジョンケアの普及と世界に通用する研究の場となるようにしたいと考えています。

平成25年4月15日

日本ロービジョン学会理事長 東京大学眼科 加藤 聡