見え方に不自由を感じていらっしゃる方とご家族のみなさまへ 「被災してしまったら」 日本ロービジョン学会 このリーフレットは日本ロービジョン学会のホームページからダウンロードできます 災害直後は誰もが余裕のない状況ですが、共助の精神は健在です。危険から身を守り、必要な情報や物資を得るために、勇気を出して周囲の人たちの力を借りましょう。 【避難所ですごす場合】 1. 避難所の管理者に目が不自由であることを伝えましょう。  目が不自由なことを他人に知られたくないという方は少なくありませんが、避難所の管理者には伝えておくことをお勧めします。障害に配慮してもらったり、家族の安否確認をしてもらったり、視覚に障害のある方に役立つ物資やサービスの提供が行われる際に情報を提供してもらったりするのに役立ちます。障害に配慮した「福祉避難所」の利用が可能な場合もありますので確認してみましょう。  要援護者登録の有無も伝えましょう(要援護者の安否が確認できないと、自治体が不要な捜索活動を続けることになる可能性があります)。  2. 目が不自由であることを周囲の方に知らせましょう。  避難所では、慣れない仮設トイレを使ったり、寝ている人のすき間を歩いたりしなければなりません。また、重要な情報の掲示に気づかないなどの困難が予想されます。そのため、周囲の人に事情を話して支援を受けることが必要になります。  特に、「少しは見えているが不自由な人(ロービジョン)」は外見では不自由さがわからないため、よく説明しないと「見えているくせに」と誤解されることもあることを想定しておきましょう。目が不自由なことを周囲に伝えるためには白杖を携帯することが効果的です。 3.生活上必要な配慮を周囲の支援者などに具体的に伝えましょう。  避難所の管理者や支援者に困っていることを具体的に伝え、配慮をお願いしましょう。 例:見えにくいため避難所内での移動が難しい    →出入り口に近く、トイレに行きやすいスペースに居させてほしい。仮設トイレが遠い場合は誘導してほしい。 例:白杖をつかないと歩けない    →配給を受け取る際には手伝ってほしい。 例:掲示物が読めない    →新しい情報があったら口頭で知らせてほしい。眼鏡や拡大鏡の提供情報があれば知りたい。  4. 当事者団体や点字図書館などに連絡しましょう  視覚障害の当事者団体や点字図書館などの支援団体に連絡をとり、安否情報や困っていることなどを伝えましょう。支援を受けやすくなります。避難先を移動するごとに必ず連絡をとりましょう。 【被災した自宅にやむを得ず避難する場合】 1. 目に障害のない人に安全上の問題を確認してもらいましょう。  視覚障害があると、建物の崩壊の恐れなどに気づかず、危険にさらされることがあります。自宅避難をする際には事前に目に障害のない人に危険な箇所がないことを確認してもらいましょう。  2. 食料・水・簡易トイレなど生活に必要な物資を確認しましょう。  自宅避難では支援物資や支援情報が手に入らなくなってしまうことがあります。自宅にある程度の準備が必要です。できるだけきちんと支援してもらえるよう、避難所や自治体に状況を説明しておきましょう。また給水場所や支援物資の配給場所なども確認しましょう。  3. 電話やメールなど、非常時の連絡手段を確保しましょう。  非常時にすぐに家族や支援者と連絡ができるように、電話、メール、SNS、自治体無線などの連絡手段を必ず確保しておきましょう(あらかじめ重要な連絡先のリストを作っておきましょう)。  4. 家族や支援者に自宅に避難していることを知らせましょう。  情報や物資の提供などの支援を受けるために、家族・親類、知人、支援団体、自治体、避難所などには自宅に避難していることを伝えましょう。また、安否確認のため定期的に連絡をとりましょう。 【インターネットでチェック】 ●内閣府ホームページ(防災情報のページ): 防災情報のほか、災害発生時には被害状況・政府の対応などが随時掲載されます。 ●災害用伝言ダイヤル171:個人の安否情報を音声で登録できます。毎月1日に使用練習ができます。NTT東日本とNTT西日本が提供しているサービスです。 ●災害用伝言板web171:個人の安否情報を文字メッセージでインターネットに登録できます。毎月1日に使用練習ができます。NTT東日本とNTT西日本が提供しているサービスです。