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1.「視機能」に関する用語
2.「補助具」に関する用語
3.その他の用語

2.「補助具」に関する用語


[補助具《ほじょぐ》]

身体機能の障害を補い、日常生活又は社会生活を容易にし、自立と社会参加を可能とするための道具や手段等の総称。かかる目的をもって製造者が特別に作ったものに加えて、既製品として存在する物品またはシステムがかかる目的をもって用いられる場合も含む。
 <参考>「補装具《ほそうぐ》」および「日常生活用具《にちじょうせいかつようぐ》」
身体障害者福祉法に規定する「補装具」および「日常生活用具」は、いずれも同法施行規則等によって給付物品の種目・種類が規定されているが、前掲の定義による「補助具」のすべてを含むものではない。また、実際にいかなる物品がどの種目・種類の補装具として給付されているかは、品目ごとの法令上の具体的な定義が明らかでないため、自治体ごとに状況が異なるのが実態である。したがって、このような背景を理解した上で特に行政用語としての「補装具」および「日常生活用具」という意味で用いる場合を除いて、一般用語・学術用語として「補装具」および「日常生活用具」を用いるべきではなく、「補助具」を用いることが望ましい。
以下のように分類する。
1.視覚補助具
  (1)光学的視覚補助具
    a)レンズ
      ・屈折および調節補正レンズ
      ・拡大鏡(縮小鏡を含む)
      ・単眼鏡および双眼鏡
    b)光吸収フィルタ
      ・カラーレンズ
      ・フォトクロミックレンズ
      ・偏光レンズ
   c)その他の光学的視覚補助具
      ・プリズム
      ・反射鏡(拡大のための凹面鏡等)
      ・ピンホール、スリット等
      ・その他
  (2)非光学的視覚補助具
2.視覚補助具以外の補助具

[視覚補助具《しかくほじょぐ》]

ロービジョン者の保有視機能を有効活用するための補助具の総称。
光学的視覚補助具と非光学的視覚補助具に大別される。


[光学的視覚補助具《こうがくてきしかくほじょぐ》]

視覚補助具のうち、主として光学系を用いたものの総称。
レンズ、光吸収フィルタ、その他の光学的視覚補助具に分類する。
 <補足>例えば、「もっぱら光源の光線束を収束させる目的でレンズが用いられている照明器具」等は、光学的視覚補助具には含めない。

 <参考>「光学系《こうがくけい》」
物体の結像等を行うため、反射面、屈折面等を、光軸を基準として配列したもの。

[レンズ]

少なくとも1つが平面ではない2つの面をもつ媒質またはその組み合わせで作られ、屈折作用を利用して対象物からの光線束を収束または発散させる作用をもつもの。
屈折および調節補正用レンズ、拡大鏡(縮小鏡を含む)、単眼鏡および双眼鏡の3つに分類する。
 <補足>慣用として、上記のレンズの定義を満たさないものであっても、レンズの呼称を用いるものがある。
(例1:屈折度数を有さない光吸収フィルタ=カラーレンズ等と呼称)
(例2:回折レンズ=その他の光学的視覚補助具に分類)

 <参考>「弱視レンズ《じゃくしレンズ》」の呼称
レンズを用いた光学的補助具を「弱視レンズ」と称する成書が多いが、定義が一定せず、慣用的に用いられているものと考えられるので、学術用語として用いることは避けるべきである。

[屈折矯正《くっせつきょうせい》および調節補正《ちょうせつほせい》用レンズ]

屈折矯正や調節補正の目的で用いる、屈折度数をもった眼鏡レンズおよびコンタクトレンズ。
  <参考>「眼鏡《がんきょう・めがね》」
JIS(T7330)によれば、「眼の測定、補正および/または保護のため、または見掛けをかえるために使用するレンズ等を、眼球に接触せずに、眼の前方に掛けるために装用するもの」と定義される。一方、薬事法に規定する医療用具としての「眼鏡」は視力補正用に限定され、身体障害者福祉法に規定する「補装具」の一種目としての「眼鏡」は、色めがね、矯正眼鏡、遮光眼鏡、コンタクトレンズ、弱視眼鏡の5種類を指す。「眼鏡」という呼称は、一般用語として、概ねJISの定義によるところのものが広く定着していると思われるので、単に「眼鏡」と表記した場合には一般用語としての眼鏡を指すものとしてよいと考える。学術用語としては、「眼鏡」の呼称は、上述のような種々の意味合いを持つことを理解したうえで、誤解を生じないように注意して使用すべきである。

[拡大鏡《かくだいきょう》(縮小鏡《しゅくしょうきょう》を含む)]

視対象の拡大または縮小された虚像を見るための焦点結像系を有するレンズ。
 <補足>拡大鏡(縮小鏡を含む)について、保持・装用の形式や照明光源の有無等により分類を加える場合があるが、分類法や呼称はいまだ確立しておらず、今後の検討課題である。

 <参考>「ルーペ」の呼称
「ルーペ」は、一般用語として、また、特定の商標として用いられているが、単に「ルーペ」と表記した場合に何をさすものか曖昧であるので、学術用語としては「拡大鏡」を用いるべきである。

[単眼鏡《たんがんきょう》および双眼鏡《そうがんきょう》]

対象物の眼への入射角を拡大(または縮小)して見る器械で、通常、焦点非結像系の光学系を持つもの。ケプラー式とガリレイ式がある。
 <参考>「弱視眼鏡《じゃくしがんきょう》」の呼称
身体障害者福祉法に規定する補装具の一種目である「眼鏡」のなかの1つであり、「掛けめがね式」と「焦点調節式」がある。一般には、ガリレイ式単眼鏡、ケプラー式単眼鏡などが「弱視眼鏡」として給付されることが多いようであるが、その他の形式の補助具も、自治体によっては「弱視眼鏡」として給付されている場合がある。したがって、単に「弱視眼鏡」と言った場合にそれが何を指すものか明らかでないので、一般用語・学術用語として「弱視眼鏡」を用いるべきではない。

[光吸収フィルタ《ひかりきゅうしゅうフィルタ》]

入射光の特定波長範囲または特定比率の吸収をするように設計された光学素子。
視覚補助具としては眼鏡の形態をとる場合が多く、カラーレンズ、フォトクロミックレンズ、偏光レンズ、および、これらの性質を合わせ持ったレンズが用いられる。
<補足1>光学の用語としての「フィルタ」とは、それを通過する光束の分光分布を変化させる作用を持つ光学素子のことであり、可視光線およびその近傍の波長の光に対するものを「光吸収フィルタ」と呼称する。

 <補足2>光吸収フィルタの分類は、光学的性質による分類の他に、使用目的によるものや、流通上の諸法令によるものなど、さまざまなものがある。

[カラーレンズ]

透過において色(グレーを含む)が付いたレンズ。


[フォトクロミックレンズ(調光レンズ《ちょうこうレンズ》)]

入射する光線の強度や波長によって、視感透過率特性が可逆的に変化するレンズ。


[偏光レンズ《へんこうレンズ》]

入射光線の偏光面方向によって吸収が異なるレンズ。
 <参考1>「サングラス」
光吸収フィルタを用いた眼鏡を総称する一般用語。家庭用品品質表示法に基づく雑貨工業品品質表示規定では、中心から15mmの範囲に著しい歪みがなく、平行度が0.166D以下のものをサングラスと称し、この基準を満たさないものをファッショングラスという。

 <参考2>「遮光眼鏡」と「色めがね」
従来、身体障害者福祉法による補装具の品目に「遮光眼鏡」および「色めがね」が掲げられており、前者は主として羞明の軽減を目的として、後者は主として整容上の必要から、それぞれ給付されるものとされていた。しかし、2006年4月の障害者自立支援法施行にともない、同年10月から「色めがね」は補装具の品目から除外されることになった。したがって、「色めがね」は今後、行政用語としての扱いがなくなり、学術的にもこれを定義して用いる意義を見出せないため、ここでは定義しない。「遮光眼鏡」は、補装具としての対象疾患とレンズの種類の限定は学術的根拠に乏しいため、以下に学術的立場からの定義を提案する。

[遮光眼鏡《しゃこうがんきょう》]

グレアの軽減、コントラストの改善、暗順応の補助等を目的として装用する光吸収フィルタを用いた眼鏡。屈折度数を有するものを含む。
  <補足>
視覚補助具としての遮光眼鏡とは別に、溶接作業等に際して眼の保護の目的で装用する産業用の遮光眼鏡がある。

[その他の光学的視覚補助具《こうがくてきしかくほじょぐ》]

光学的視覚補助具のうち、レンズおよび光吸収フィルタに分類されないもの。プリズム、拡大反射鏡、ピンホールなどが含まれる。


[プリズム]

光学的には、平行でない平面を2つ以上もつ透明体(JIS Z8120-I52)と定義される。ただし、眼鏡に用いられるプリズムレンズがすべてこの定義をみたしているとは限らず、入射した光が2つの面で屈折し収束発散せずに進路をかえるような効果をしめすものを総称して「プリズムレンズ」という。


[非光学的視覚補助具《ひこうがくてきしかくほじょぐ》]

視覚補助具のうち光学系を用いないものの総称。
 <補足>機構として光学系を含む補助具であっても、その光学系の光軸が視軸と一致しないもの(例:拡大読書器、集光レンズ付ライト)は光学的視覚補助具ではなく非光学的視覚補助具に分類する。

[視覚補助具《しかくくほじょぐ》以外の補助具]

補助具のうち、ロービジョン者の保有視機能を活用することを意図しないもの。感覚代行補助具がその主体となる。
メール 理事長 田淵昭雄宛て

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