2007/11

視覚障害者に対する的確な雇用支援の実施のために

ハローワークが行う視覚障害者雇用支援のポイント

※ タートルの会企画・編集「視覚障害者の雇用継続支援実用マニュアル」に基づき、厚生労働省障害者雇用対策課において作成。

   タートルの会  Tel  03-3351-3208  Email  mail@turtle.gr.jp

<視覚障害>

 視覚障害とは、ある限度を超えた「見えない、見えにくい」という状態が永続するか、さらに悪化することです。しかも、見え方(視力)、見える範囲・部分(視野)、色の識別(色覚)など一人ひとり異なります。一様でなく多様です。

 「見えない、見えにくい」者が安全に通勤し、パソコンを活用して文字処理業務等を行うなど、いろいろな職域で働いています。「見えない者は働けない」というのは間違いです。このことをしっかり押さえてください。

<中途視覚障害>

 中途で視覚障害になると、今までできていたことができなくなる事柄が数多く出てきます。しかし、この大部分は、ロービジョン訓練(*1)、生活訓練(*2)や職業訓練などの訓練によってできるようになります。

*1 視覚的に日常生活に困難を来たした患者に対して生活や就労のアドバイスを行い、問題のトータルな解決を図る包括的視覚リハビリテーション

 (参考)日本ロービジョン学会HP http://www.jslrr.org/

*2 「見えづらくなった、見えなくなった」ためにできなくなったことをできるようにする日常生活動作訓練、コミュニケーション訓練、歩行訓練

  (参考)生活訓練施設一覧:(社福)日本ライトハウスHP http://www.lighthouse.or.jp/educate/H19riha-y.pdf

図 ハローワークにおける視覚障害者雇用支援

ハローワークにおいて、視覚障害者の雇用の促進と安定を支援

支援の二つの柱

? 求職視覚障害者の就職支援

  ○的確な職業相談・職業指導

  ○関係者・関係機関と連携した「チーム支援」

   ・ハローワーク

   ・地域障害者職業センター

   ・障害者就業・生活支援センター

   ・眼科医

   ・視覚障害者支援団体

   ・障害者職業訓練コ−ディネーター  等

  ○機能の習得・向上

? 在職視覚障害者の継続雇用支援

  ○雇用事業主の理解の促進

  ○障害者本人の雇用継続意欲の維持・喚起

  ○関係者・関係機関と連携した「チーム支援」

   ・ハローワーク

   ・雇用事業主

   ・地域障害者職業センター

   ・障害者就業・生活支援センター

   ・眼科医

   ・視覚障害者支援団体

   ・障害者職業訓練コ−ディネーター  

  ○機能の習得・向上

視覚障害に関する事業主の正しい理解の促進

※ ハローワークだけで問題を抱え込まず、支援団体や関係機関等と連携・協力して、チームによる支援を行うことが重要です。

※ 「百聞は一見に如かず」です。自信を持って支援するためにも、視覚障害者の就労現場、訓練現場を見学し、音声パソコンなど支援機器を体験してみてください。

連携・協力におけるハローワークの役割

<視覚障害当事者に対して>

? 本人のニーズの的確な把握

 現在の具体的な困難、これまでの職務経歴、職場環境の現状(職場の人間関係、特に、職場におけるキーパースンの存在など)について確認する。

? 雇用不安の軽減

 現在の雇用を継続することを第一に支援を行っていくことを明示して、就労継続意欲の維持・喚起を図る。

 併せて、支援団体、ロービジョンケア、生活訓練、職業訓練等の必要な情報を提供する。

<事業主に対して>

? 視覚障害者が働くことに関する正しい理解

 「見えない=何もできない」という誤った固定観念を払拭し、中途視覚障害者が働くことをイメージできるようにし、事業主の不安感や負担感を軽減する。

 併せて、音声パソコンを使用した事務的職務の就労事例を紹介し、視覚障害者の職域拡大に対する正しい理解を図るとともに、雇用継続に向けた努力への協力と支援を働きかける。

? 現場見学など、具体的な情報提供

 訓練施設、福祉制度、助成金制度、復職(職場復帰)事例などの情報を提供する。訓練施設、復職事例の見学には、本人とともに同行するようにする。

<産業医に対して>

? ロービジョンケアに関する情報提供

 視覚障害を有する社員の眼科的問題、在職中の中途視覚障害者の雇用継続の問題について産業医から相談を受けたときは、ロービジョンケアのできる眼科医をはじめ視覚障害者の職業訓練施設などの専門機関の意見を参考にしながら判断をするよう助言する。

? 復職・雇用継続事例の提供

 産業医が具体的な復職事例を知りたいと望んでいる場合は、中途視覚障害者の復職を考える会(タートルの会)が多数の事例を把握している旨、情報提供をする。

<訓練施設に対して>

? 訓練成果の確認と訓練内容の調整

 訓練による技能向上の状況を確認する。その際、職場の関係者に対するデモンストレーションを行うことが有意義。

 また、訓練施設側と職場の関係者の具体的な情報交換、意見交換の機会を確保し、実際の職場環境に合わせて訓練内容を調整し、適合させる。

? 訓練機会の確保

 その地域に訓練施設がない場合、視覚障害者支援団体などとも相談し、他の方法を検討する。

<眼科医に対して>

? 眼科医等自身の理解の促進

 ハローワークが在職中の中途視覚障害者の雇用継続支援を行うことを眼科医等に理解してもらう。

? 患者に対する専門的助言・指導の依頼

 患者である当該視覚障害者に対して、本人の保有視機能の活用と必要な視覚補助具等について専門的助言・指導を行い、就労(継続)の可能性があることを理解させるようにしてもらう。

? 「健康相談医師の委嘱」に関する情報提供

 眼科医等及び当該事業主に対して、重度障害者介助等助成金の「健康相談医師の委嘱」に関する情報を提供する。

? 診断書等の記載についての助言

 復職等に際して事業主が診断書等を求めた場合の記載内容について、「就労は可能であること」が読みとれるものとする、また、療養が必要な場合は「療養(歩行、点字、音声パソコン等のリハビリテーションを含む)を要する」のように、療養の中身がリハビリテーションを含むことを明記するよう助言する。

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